すべて透き通っていたら、どんなに見晴らしが良いだろう。
扉は少し開放気味にしているほうが、生きやすいように感じる。
特に、イーゼルの前で絵と向き合う時は、常に透明な気持ちで接したい。
モチーフや対象物に何の先入観も持つことなく、透明な心の扉を開けて、ただ筆を動かす。
ある意味自画像でもあり、決意表明のような一枚
この作品が出来るまでの経緯
“透明”という存在が好きで、とても強い憧れがある。
透明人間になりたいとか、肉体を持たない霊的存在になりたいとか、そういう訳ではないのだけれど
(透明人間もなってみたら面白そうだけれど)
目の前の現象を色眼鏡を通したフィルターで見ることなく、ただただ透明な気持ちで受け止めることができたら、と思っている。
目の前には、常にあらゆる情報や物事や感情が流れてゆく。
それらが透明な私の心を通過し、後には、限りなく透き通った作品だけが残ればいいと思う。