何かを守るためには、逃げることも必要である。
守りたいものがあるときは、それを持って逃避行すればよい。
抱えきれないときは、絵の中に避難させる。
一難去った後に、元に戻せばよい。
左右に描かれている建築物の形に、見覚えのある方も多いかもしれない。
巷では様々な陰謀論が囁かれ、もうじき日本も危ないのではないかと警鐘を鳴らす人もいる。
どのような結果を迎えるかは誰にもわからないけれど。
そんな時、私には何が出来るのだろう ふと考えた。
やっぱり私は自分が得意なことで、出来ることから始めたいと思った。
だから、守るべき二つの建造物を、絵の中に一時避難させた。
この先も、何年先も何十年先も、東京が、日本が、変わらずいてくれることを心から祈っている。
絵を描くことは祈ることと似ているから。
この作品が出来るまでの経緯
“逃げる”事を、私は肯定したい。
目の前に立ちはだかる”何か”に、正々堂々真っ向から立ち向かう勇気は強いが、逃避する事もまた勇気のある事だと感じる。
ただ、現実逃避癖は治したいと思っている。